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プロフィール
HN:磯見仁月
職業:漫画家
自己紹介:
漫画家の卵。殻を破ろうと日々悶え中。趣味は読書と旅行と整理整頓。丸ペンと家庭用万能包丁が愛刀です。


新連載「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」(新潮社 月刊コミックバンチ)2018年12月21日開始



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漫画家・磯見仁月のブログです。                                 新連載「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」(新潮社 月刊コミックバンチ)
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暑中お見舞い申し上げます!!

仁月です。
6月ですね、暑いです。
仁月は夏生まれなので、夏には割と強いのですが、スタッフ数人と1室で仕事してると
若い奴らのエネルギーか、それなりに熱いです。
なのでスタッフにお小遣いをあげてアイスを買ってもらいました。
なのでアイス食べてる黒六です。

仁月は常々、生まれる時代を間違えたと考えていますが、思い直すひとつにアイスがあります。
さすがに冷蔵庫がない時代は、なかなかこいつの美味さは味わえませんからね!!
クロノ・モノクロームの現在の時間は5月ですが、黒六はこれからアイスのない悲しさを知るかもしれません。

では久々のうんちくを!!
単行本2巻にそれなりに収録しましたので、収まりきらなかった分を少しだけ。


8話

シェーンブルン宮殿デビュー戦クライマックスです。
史実上のタークの初戦であり、連載開始後、初めてクライマックス的なものを描いた回で、仁月にとっては1番思い出深い回になりました。
1番お気に入りの回でもあります。

シェーンブルン宮殿は本来は夏だけの離宮。
日本ではあまりなじみがない文化ですが、欧州は避暑というのがとてもメジャーなんですね。
それ以外の季節は、ウィーンのリンク(城壁)際にある、ホーフブルグ王宮で政務をとることも多く、毎年移動の季節になると家具やら使用人やら引っさげて、移り住むのが定例でした。
空いた間は近くの川の洪水などで荒れ放題になることもあったらしく、そのたびに綺麗に改装してたようです。
随分効率が悪いような気もしますが、これも貴族社会の贅沢というものでしょうか。

ウィーン王宮は時代にもよりますが、女帝統治下は割とオープンで、広大な庭は庶民にオープンになっていることも多く、直接王族をお見かけできることもあったとか。
このあたりの距離感は、王族が庶民の味方であるというイメージ作りも兼ね、絵画や記録などをあえて作ったのではないかという説もあり、真偽のほどは定かではありませんが、おとぎ話で王様と乞食が入れ替わるネタがこの時代に作られたこともあり、夢のあるお話ですね。

いずれにせよ、シェーンブルン宮殿は、名だたるヨーロッパ王宮の中でも美しい宮殿のひとつといわれ、ハプスブルク家はもちろん、訪れる人々に愛され続けました。
そのためか、催し物や特別な催事も、離宮といいながらこちらでやることも多く、実質上、王家の中心的拠点だったようです。

女帝が大幅に改装し、甘い黄色で可愛らしく塗り替えた色は、テレジアン=イエローと呼ばれ、今もウィーンでオーストリアの人々を見守っています。
今回の取材では貸切3時間という破格の条件で参加させていただきましたが、その美しさもさることながら、館員長さまの知識の深さに驚嘆いたしました。
もう正直、写真うんぬんより日本にお連れしたかったです。

いやいや、本当に素晴らしい時間でした。
皆様もぜひ一度、訪れてみてください。


9話

ようやく…。

女帝:マリア=テレジア様のお顔が出ました~!!!


もう仁月はこのお方が大好き!!
世界史で好きな人物ベスト3に入る、リスペクト・レディです。
女だてらにその仕事ぶりもさることながら、当時にしては珍しい恋愛結婚の末、ハンサムな旦那様と円満・熱烈な夫婦生活を全うし、子育てもちゃんとした、現代女性にも通じる淑女なのです。
嫁ぎ先の子供たちにもまめに手紙を書き、戦争があればお腹が大きくとも、戦場に直接赴いた彼女。
その人となりはウィーンの人々にも非常に愛され、家族的で親しみやすい言い伝えが数多く残っています。

しかし驚くべきは、彼女は決してそうなるように教育されてきた人間ではないということなんですね。
もともと彼女の父には息子がおらず、婿入りした王子に政務をとらせるため、マリア=テレジア自身は、よきお嫁さんになるよう躾けられていた、ただの可愛らしい女の子でした。
それが父の死後、欧州中を巻き込んだ戦争が起こり、窮地にたったオーストリアを救うべく、20歳そこらにしか過ぎなかった娘が、帝国の指揮をとった瞬間から、彼女の伝説が始まりました。
何もわからず、決して戦争には強くなかった彼女ですが、ウィーン中から母と親しまれるその包容力で、オーストリアは潰されることなく、今日までの繁栄をものとしました。
正直、彼女の魅力を語れば、たぶん仁月は単行本を出す勢いなので、このへんで今回はやめときます。


後、細かい話ですが、ケンペレンのスパナ。
実はこれ18世紀にはまだないんですね。
特に両口は後世のもので、この時代の工具というと、もっと細い針のような道具が中心になります。
オートマタなどはもう時計の精密機械に近いので、それこそ道具も針のような感じなのですね。
でも、漫画としての記号としてわかり易いというのと、産業革命が始まり、工学技術がうなぎ上りだったこの時代、ツンフトに委託してオリジナルの道具を作る人も多かったらしく、タークの外観や、人形を固定する大きなねじのために、ケンペレンが持ってても面白いのではないかということで、組み込みました。
本来はない組み合わせですが、新旧まざりこむロマンということで、楽しんでいただけると幸いです。

ちなみにアントンの反響が結構高かった回でした。
当初とはいろいろ予定も違う部分もあったキャラなので、意外に思ったのを覚えています。
どうしても主人公・黒六と、ターク・オーナーのケンペレンに話がよりがちですが、そのうち彼の活躍も描けたらいいなと思います。
 
 
 
 
さて本編はすでに22話に達し、次号23話は新しい土地に移動します。
コメント・ファンレター全部読んでます!!
とても嬉しいです、ありがとう!!

クロノ・モノクローム単行本2巻 も6月18日ごろ発売です!!!

それから

サンデーのショップの方でペーパーが1枚、
芳林堂書店様からペーパーとブロマイドが出る予定です。

 詳しくは芳林堂書店様のサイトあたりでご確認ください。


1巻ともどもお手に取ってくださるとありがたいです!!
応援宜しくお願いします!!


 
 
 

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