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プロフィール
HN:磯見仁月
職業:漫画家
自己紹介:
漫画家の卵。殻を破ろうと日々悶え中。趣味は読書と旅行と整理整頓。丸ペンと家庭用万能包丁が愛刀です。


新連載「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」(新潮社 月刊コミックバンチ)2018年12月21日開始



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漫画家・磯見仁月のブログです。                                 新連載「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」(新潮社 月刊コミックバンチ)
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グーテン・アーベント!!
仁月です。
なんかもう連載中、英語よりドイツ語触ってる時間が多かったので、ヘタレな英語がさらにへたってきました。
いや、ドイツ語はさらにヘタレなのには違いないのですが。
モーツァルト戦で手紙をドイツ語で描くことになり、とても焦ったのを覚えています。
取材前、古地図と現代地図を照合して、地理を暗記するにあたり、ドイツ語も現代と18世紀で表記が違うので、やっぱり焦ったのを思い出しました。
なんでしょうね。日本でいうと江戸や明治の漢字…、いやゆる現代でいう常用漢字以外が、ばんばん出てくる様相でしょうか。

丁度秋に取材に行ったので、この季節になるとウィーンを思い出します。
そしてウィーンというとモーツァルト。
なので音楽の秋にモーツァルトを描いてみました。
黒六やケンペレンに次いで、「好きです!!」って声が多かったこの方。
久しぶりに描いてみました。
比較的描きやすい。たぶん髪の毛がはねてないからだろうな。
ピアノは仁月も子供のころ弾いていました。
得意ではなかったけど、あの硬質の鍵盤に触れるのは好きでした。
ちなみにその時通っていた教室の先生のおうちに、歴代の音楽家たちの本がたくさんあって、仁月は歴史の偉人伝的なものばかり読んでました。
まさか将来、そのうちの一人を描くことになろうとは。
人生何が役立つかわかりません。
  
      
 
モーツァルト:「お客さんもそろってきたね。さあ、クロ、コンサートの準備はいいかい?」

黒六:「モーツァルト…あの、俺ピアノは全然…。ていうか何でこんなことに…!?」

モーツァルト:「いいじゃない。君とピアノ連弾やってみたかったんだよ。面白そうな音がでそうだからさ。大丈夫。音楽とチェスは深いところで感性が繋がってるから。」

黒六:「うう…、じゃあ楽譜を…。って真っ白だよ、この楽譜!?曲目は!?」

モーツァルト:「ないよ、そんなもの。昨日女の子と遊んでたら書き損ねちゃった♪でもクロが自由に弾いてくれれば、僕が合わせて即興で作曲してくよ。新曲お披露目って言って集めた手前、楽譜は置いとかないとね~♪♪ほら、手を貸して!!」

黒六:「…天才とイカサマって、深いところで感性が繋がってるのかなぁ……。」



では13話うんちくです。
単行本でるまでは出しにくいもあるし、これ話数よりカテゴリでやった方がいいのかも。
とりあえず障りのない馬車の話でも。



第13話

13話の最後に出てきた馬車。
18世紀は電気もガソリンもないので、おもな移動の動力は馬でした。
何となく18世紀のイメージだと、個人の金持ちが馬車を所有していて、交通網が不便なイメージがありますが大間違い。
18世紀の馬車の交通網は大変なもので、様々なパターンが存在していました。

乗合馬車
駅馬車
定期便馬車
郵便馬車
貸馬車

などと他にも用途に応じて振り分けられ、

鈍行馬車(カロス。8人乗りくらいで1日40~50キロしか進まない。昼食をのんびりとる休憩つきで、日没前に宿屋に入る。)
急行馬車(デリジャンヌ。鈍行より2~3倍速く、一日80~90キロ移動。各宿駅で馬が交換され、馬はギャロップで爆走することができる。バネつきクッションが設置され、乗り物酔いがひどい人はお勧めしない。ちなみに高額。)

といった速度に応じての役回りもありました。


ケンペレン達の馬車は大型で、当時の乗合馬車に貨物を兼ねたものを参考にしています。
乗合馬車は客席の屋根に当たる場所に、荷物を積めるものが多く、乗客の荷物の他、各都市の荷物の配達も兼ねていました。
1764年には馬車の時刻表も公式に出版され、パリを中心にすべての幹線道路の地図(120万分の1の縮尺)がつき、馬車の種類、出立日時、停車時間、宿のアウトイン時刻、行程距離などあらゆる馬車の情報が記載され、非常によく売れました。
ヨーロッパの旅に興味がある方は、何度も版を重ねているので、これを見ると当時の様子がわかって面白いかもしれません。

ですが、乗り心地は決して良いものではなかったようです。
椅子のクッションは固く、道路も整備が万全とは言えないもの。
加え荷物や娘を狙い、泥棒や賊が沢山いました。
旅人の中には二度と乗りたがらないものもいたようですが、それでも大半は乗るうちに慣れたそうです。
怖いのが事故で、都心ではひっきりなしに人がはねられ、田舎では悪路で馬車が横転しました。
モーツァルト家も一度馬車で事故を起こし、父親のレオポルトが大怪我をしたという記録があります。
そんな中でもたくましく人々は行き来し、18世紀の華麗な文化の礎になりました。
横転した馬車を起こすのを手伝って稼ぐ農民もいたとか。
そのために幹線道路の完成を遅らせたりしなかったり…。


きりがないですね。
今回はこの辺で。

クロノ・モノクロームも次号は46話。
あの人の秘密の箱が開きます。
スタッフが読んで切なくなってくれてました。
そういうの見ると嬉しいですね。

単行本1~3巻も発売中。
反応・感想楽しみにしています。
応援宜しくね!!!

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